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 一年間の生育史

 オキナワチドリは冬に生長します。晩春になると葉が枯れ、夏には地下の球根だけに
なります。ウチョウランやイワチドリと正反対の生育サイクルです。
日本にはそういう植物がほとんど無いので、夏に枯れたと思って捨ててしまった、という
失敗談が時々聞かれます。

 秋になって最高気温が25以下になる頃に地下の球根から芽が出はじめ、冬の間
に葉が大きくなり、春に花が咲きます。

 
 このような生育サイクルを「冬緑性(とうりょくせい)」といいますが、外国産の球根性
ランにはこのタイプのものが少なくありません。ヨーロッパ産のオルキスやオフリス、
オーストラリア産の地生ラン(地面に生えるラン)は大部分が冬緑性です。

 夏に猛暑が続く沖縄や、夏に雨が降らないオーストラリア乾燥区のランが冬緑性と聞く
と なるほどと思いますが、北海道と同じ気候のヨーロッパで冬に生長する種類が
多いのは不思議な感じがします。

 大きくなった株はストロン(球根を作る特別な地下茎)を伸ばし、先端に新しい球根を
作り始めます。晩春になると葉が黄色くなって枯れ、地下の球根だけが残ります。



 新しくできる球根は1個か2個、生育が良いと3個以上できることもあります。
通常は大豆大からピーナツ粒ぐらいの大きさですが、右端のような大きな球根ができる
こともあります。

 花の変異




上段左端の花が標準花。(奄美大島産)
その他は沖縄本島産の園芸選別品。

一見しただけでは別種のように見えますが、どれもオキナワチドリです。
同種ですから、お互いに交配して種子を得ることができます。

   




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