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  オキナワチドリの育て方 (3)  


 植え替えの一例:

 オキナワチドリは新しい球根が深くもぐり、鉢底近くにできることが多いので毎年植え替えをします。小苗
では新球根が1個しかできませんが、生育の良い株では年平均で2倍前後に増球します。

昨年8球植えつけた鉢. 今年は17球に殖えていた

新しい用土で植えなおす
   
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1:見本はごく普通の駄温鉢。特に栽培成績が良いわけではないが、こんな鉢でも一応は育てられる。
2:鉢底に鉢底網を入れて穴をふさぐ。
3:今回は排水促進に大きめの粒を少し入れてあるが、オキナワチドリは新球根が鉢底近くにできることが
  多いので、深くない鉢の場合は鉢底にも普通の用土を入れたほうがよい。
4:ミズゴケと粒状用土を混ぜたものを入れる。

   
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5:球根をミズゴケで包んで鉢に入れる。上下を間違えないように気をつける。
6:球根の生長点が用土表面から1cmぐらい下になるように植付けの深さを調節。
  (大きめの球根はもう少し深く、小球は浅めに植える)
7:球根を包んだミズゴケの周りに混合用土を入れていく。
8:ミズゴケが露出していると傷みやすいので、表面は砂質用土で覆う。ラベルを立てて潅水し終了。

 <注意>
 オキナワチドリはロゼット状に葉が広がるので、大きさのわりに広い生育面積が必要になります。
見本は3号(口径9cm)鉢ですが、このサイズの鉢では大きめの球根の場合2〜3球が適当です。

 しかしオキナワチドリは群生させないと魅力が出ないので、観賞を主体とするなら葉が重なり合って生育
が悪くなることを承知の上で密植するか、最初からもっと大きめの鉢を使ったほうが良いでしょう。


 病害:

 ラン栽培で最も恐れられる病気に、ウイルス感染症があります。
感染したランは葉に色ムラが出たり、花の形がゆがんだりして、生育が著しく悪くなります。
ウイルス病の治療薬はなく、一度感染すればウイルスが消えることはありません。
感染予防だけが唯一の防除方法です。

 オキナワチドリにも、ウイルス性と思われる葉の病斑などが見られることがあります。本種はウチョウラン
と同程度のウイルス耐性があるようで、栄養状態の良い株では、それほどひどい症状は現れません。
しかし、弱い株は生育障害のために枯れてしまうこともあります。
ウイルス感染が疑われた場合は他の鉢から隔離するか、種子をとって(ウイルス感染個体でも種子は無病
といわれている)親は焼却処分します。

 病気の原因になるウイルスは多数の種類があり、種類ごとにさまざまな植物に感染しますが、ウイルス耐
性のある植物は感染しても症状が現れません。健康な植物だと思って無病株と一緒に育てていると、潅水
の時に流れた排水や落ちた枯葉、アブラムシの吸汁などによってウイルスが伝染し、耐性のない植物だけ
が発病します。

 すべての植物は何かのウイルスをもっていると考え、たとえ同じ種類でも、他の鉢の植物とはなるべく接
触させないようにします。ウイルス保有植物の汁液が感染源になりますので、野菜を切ったあとや、庭木の
剪定をしたあとには、手を洗わずに鉢植えを触ってはいけません。
 植え替えの時に鉢を同じバケツで洗ったりするのも、人間で言えば同じ注射器を回し射ちしているようなも
ので、たいへん危険です。

(>> その4に続く )

 




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