大輪・円弁花
「国頭の誉」 沖縄本島 東村産
写真は野生個体では最も優良と言われる「国頭の誉」。
このサイトのあちこちに登場している品種です。
(ちなみに国頭(くにがみ、くんちゃん)は沖縄本島の北部地域のこと。命名者の発音では「くんちゃん」に聞こえる
が、雑誌発表では「くんざんのほまれ」と記載されているようだ)
この品種は円弁大輪であるだけではなく繁殖力が良く、葉が焼けにくく、草姿が間延び
しないなど優良な形質を多数もっており、それらの形質が後代で発現しやすいため交配 親として非常に優れています。
実生個体その1
花の大きさは「国頭の誉」を上回るが、唇弁の小裂片に隙間があって、裂片同士が重なりあっていない。
展示会の優良花基準は「丸く、花弁が隙間なく重なりあった花」なので、展示会で高得点を獲得するのは難しい。
実生個体その2
弁質は良好でヨレもほとんどないが、花のサイズが小さく、小裂片の重なりもほとんど無い。
よほど特別な特徴がない限り、花が小さいというだけで展示会では審査対象にしてもらえない。
実生個体その3
2009年現在、最も大輪の個体。(右側は小輪花「沖の白帆」)
「国頭の誉」を交配親に使うと、確率は低いがF1の段階からいきなりこのような大輪個体が出ることがある。
「どこの展示会に出しても一目おかれる花」というのは、育種家にとって一つの目標です。
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